kionachiの日記

中野でコミックやラノベの装丁やテキスト仕事や社長などをしている木緒なちの日記です。

グッドデザデザUSTの話

 4年ほど前から、不定期でBALCOLONY.の染谷さんとUSTで雑談放送をしている。最近はお互いに時間が取れなくなり、年末に一度だけ開催が恒例となった。そんな気分屋な放送にもかかわらず、楽しみにしてくださる方もチラホラと見受けられ、ありがたい限りだ。

 デザイナー、特にアニメやゲーム分野でその職業についている人たちが、昔に比べてきちんと意思を持って発信するようになった。発端はやはり染谷さんの『オタクとデザイン』なのだけれど、いまや制作物のクレジットに『デザイナー』の枠が無い方が珍しい、という所までやってきた。商業だけでなく、同人にもその波は確実に来ていて、最終的なパッケージングをデザイナーと共に考えよう、という同人サークルの数は次第に多数派へと変わろうとしている。

 ようやく、デザイナーがこの世界で認知されるようになったのだ。本当に嬉しいことだと思う。

 しかし、デザイナーが本当の意味で他の仕事と同格に置かれているかと言えば、まだまだそんなことは無いのが実情である。文字ツールで文字を置いて、大きくして小さくして色をつけて、素材集で選んできたパーツを四隅に付ければデザインなんでしょう? とやられることは未だに一年で4件ぐらいある。ひとつひとつ、そうじゃないんですよと丁寧に説明するようにはしているのだけれど、同じ作り手であるはずの人たちからそういう言葉を聞くにあたっては、ヘイトも溜まるし絶望することもある。

 啓蒙、というと途端仰々しくなるけれど、話せばわかる人だってたくさんいる。だから話すようにしている。ああなるほど、それぐらい知恵と労力を使うことならばお金も時間も必要になりますね、と言って貰えることがほとんどだ。でも、面と向かって話せる機会は残念なことにとても少ない。ゆえに、機会があれば必ず何かを話すようにはしている。

 染谷さんとのUSTも、その機会の内のひとつだ。放送では世にある制作物たちをよく紹介するけれど、それがいかにして生まれどういった工夫と労苦の上に成り立ったのか、そういう話をあまり説教臭くなく、自然とするようにしている。すべての制作物は、必然性と労力と少しの偶然によって生み出されたのだということがわかれば、自分以外のすべての事柄について踏み込んで考えることができる。より多くの人がそうなればいいなと思っている。

 

 でもまあ、今年もまた酒飲みトークが8割方占めていると思いますので、どうぞお気楽な感じでご覧頂ければと思います。20時開始予定でしたがこの分だと21時になりそうです。みんなでそめちゃんの残務が早く終わるように応援しよう!

 

ソメチャンキオチャンのグッドデザデザ忘年会UST

http://ustre.am/G8x2